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E: ガスパール トウキョウ(麻布十番)

もう、だいぶ前のことになりますが、とある京都のレストランに訪れたことがあ
ります。
そこで出てきた料理はポーションは大きいけど、どうも洗練されてない。どこか
しら、少しズレてる。極めつけだったのはメインのつけあわせで、ステーキハウ
スで出てくるステーキの鉄皿に、肉と一緒にのっているような細切りにした人参
とインゲン。身も蓋もない表現をするなら、“ダサイ”とでも言うべきものだっ
たのです。
コストパフォーマンスの良さからか、その後、あれよあれよという間に支店を持
つようになりましたが、当時はまだ本店だけ、それも当日に予約ができるような
状態でした。さらに、昨年の夏にはとうとう東京へと進出、麻布十番に支店を構
えました。支店とはいってもシェフは東京に来てるようですから、移転というの
が正しいかもしれません。

というわけで、先日、「ガスパール トウキョウ」へと行ってきました。京都の
有名店ガスパールが東京に開いたお店です。
予めわかってはいましたが、コンセプトも料理も京都のそれとは違ってるみたい
です。けど、正直なところ、どんなもんだろう、失礼ながらあのダサかった料理
が東京向きにきちんとブラッシュアップされるんだろうか。ちょっと不安もあり
ました。

立地は麻布十番の駅から歩いて少し。大きな通りからは少し外れますが、周囲に
は飲食店の多い賑わった地域。そんな中のそれほど大きくない複合ビルの4階に
店はあります。
エレベータを降りるとすぐにエントランス。エレベーターからフロアの様子は伺
えないようにはなってますが、それほど広くはないのはビルの構造上、仕方のな
いところではあります。
なので、ややテーブルは詰め込んだという感じも。特にテーブルの間を衝立状の
もので仕切った箇所もあって、そこに座ると閉塞感があります。
インテリアや小物、あるいは色使いなどは、どこをとってもシャープな印象です。
木製のものであってもピシリと鋭い。暗めの配色に加えて照明もかなり落として
る。個人的にはもう少し明るい方が健康的でいいのですが、これはこれで雰囲気
なのかな。

コースは三種類、京野菜を取り入れた多皿のコースとプリフィクスのコースがそ
れぞれ8400円で、もう一つ、多皿のおまかせのコースが15000円を越える値段だっ
たように記憶してます。22時を過ぎるとバータイムで(カウンターがあるではない
ですが)アラカルトのオーダーも可能になるようです。
おまかせは皿数的にも金銭的にもtoo much、フレンチではやっぱり肉を食べたい
ということでオーダーは必然的にプリフィックスに決まりです。冷製の前菜、フォ
ワグラの料理、メインの肉はそれぞれ3,4種類から、スープは2種類から選べま
す。魚はオマールで固定となっていて、そこは選択ができません。
 ハムのムースをつめたグジェール,プチトマトのコンポート
  このグジェール、完成度がとても高いです。ピタリと決まってる。ハムの
  味わいとコク、塩の加減、グジェールの香りなど、過不足がまったくない。
  大きさは小さめで丁度いい。これ以上大きいと鈍重になってしまうと思う
  のです。
  トマトの酸味と甘みもよいアクセント。甘みはそのままだったら不足した
  と思うけど、コンポートにすることでちゃんと出てる。
  いやはや驚いた。アミューズでこれだけのものが出てくるとは。
 子ウサギにゲヴェルツ・トラミネールのジュレ
  足の長いクープに透明度の高い美しいジュレがたっぷりと。ポーションは
  十分です。そのジュレを通してほぐしたウサギが見えてる。ウサギの身は
  非常に淡白。何か補いたいところだけど、このジュレではちょっと絡み難
  いか。
  下には、例の細く千切りにされたニンジンが。この料理の場合、ダサいと
  は思いませんでしたが、普通にムースとかの方がウサギに絡んで良かった
  んじゃないかとも。
  香りも思ったほどでもなかったかな。合わせてゲヴェルツを飲んだけど、
  そちらの香りと糖度が強かったので負けたというのもあるかと。近過ぎて
  もダメなのかな。でも、ジュレの温度が上がるとだいぶ、引き立つように
  なってきてました。
 奈良漬をまとったフォアグラのコンフィ マンゴーのシャーベット
  メニューを見たら誰もが考えるんじゃないかと思います、「奈良漬けとフォ
  アグラが合うの?」と。フォアグラの選択肢には無難なポワレなんかもあ
  るんですが、好奇心に負けてオーダーしてしまいました。
  奈良漬けが持ってる香味とパリパリとした食感が、思った以上に良いアク
  セントになってます。絶賛まではしないものの、これはこれでアリなんじゃ
  ないかと。質とポーションも十分です。奈良漬けのイメージが強いので、
  マンゴーは霞がち。言われてみれば思い出すけど、というところ。
  発見だったのは、フォアグラと奈良漬けを一緒に口に入れると奈良漬けの
  方が残りがちなわけですが、その時に奈良漬けに独特のクセのようなもの
  が(フォアグラで?)緩和されていて、妙に美味しく感じました。
 蟹と聖護院蕪のスープ 柚子風味
  とてもあっさりと仕上げた上品なスープ。しっかりと温かいのも嬉しいで
  す。ともすれば、香りがぶつかりそうな素材を使ってますが、蕪を中心に
  きちんとまとまってます。その分、ちょっと大人しい面もありますが。
  さらに果たしてこれがフレンチか、というと考えてしまう一皿で、和食の
  店で出ても不思議はない。まあ美味しければ良い、ということで。
 オマール海老のロースト ブールブラン
  前菜の途中くらいに、活けの状態のオマールを持ってきて見せてくれます。
  デフォルトでコースに入ってるくらいだから、目玉でもあり、自信もある
  のでしょう。なるほど立派なオマールです。
  新鮮なだけに火の通しはかなりレアで、身は半透明のまま。当然、弾力の
  ある食感を存分に楽しめます。爪と半身が食べられて、ポーション的にも
  食べ応え十分です。
  ソースはシンプルにブールブラン。くどくなったり、オマールの風味を損
  なったりしかねないところを、軽めに仕上げて、かつ、刻んだトマトを加
  えることで食べやすくなってます。
 丹波イノシシ・ミンチのヴァプール 生姜風味 キャベツのブレゼ
  エストラゴン風味のグレープフルーツのグラニテを挟んでのメインです。
  キャベツに包まれた単二の乾電池くらいの大きさのものが3つ。断面から
  赤みの強い猪肉が見えていて、トリュフも振り掛けられてます。
  ナイフを入れるとミンチとは思えない手応え.キャベツもシャキっとして
  います。猪らしいクセはそれほどでもないけど、噛みしめると牛などには
  ない強い味わいの旨味が出てくる。ナイフを入れた時に感じた弾力も、しっ
  かりと残り続けてる。ポーション的にはやや寂しいけど、どしりとした味
  の強さはは確かにメインのそれ。
  つけあわせにはホワイトアスパラです。今年、初もの。さすがにまだ細身
  でしたが、春が近付いてることを感じさせてくれて嬉しかったです。
 金柑のロールケーキ
  ガスパールと言えばグレープフルーツのプリンが有名ですが、しっかりと
  した食後感を得たくてロールケーキを選択。“薄茶”と一緒に出てきまし
  た。
  が、薄茶に合わせた味なのか、期待には沿ってくれませんでした。あっさ
  りしてると言えば聞こえはいいのですが、甘み、コクともにちょっとばか
  り弱い。特に金柑に甘みも酸味もほとんど感じられなかったのは残念でし
  た。スポンジとクリームはあれでもいいんです。金柑が満足できるものだっ
  たら、多分、感じ方はぜんぜん違ってたと思うんだけどなぁ。

京都の店と違って、全般に創作性に富んでいます。ポーションよりも、一皿の完
成度を高めることを目指してる。そんな気がします。それでいてフレンチらしい
フレンチではなくて、和の雰囲気を持ち込んでいるのは、やはり店の出自が京都
だからなのでしょう。
もう一点、自信のようなものを感じました。やりたいことをやっていれば、結果
はついてくる、とでもいうような。
まだまだ、突き抜けたとまではいきませんが、京都の店に行った時のこと、“ダ
サい”とさえ思ってしまったことを思い返すと、ここまでの料理が出てくるとは
思ってもいませんでした。
次は京野菜を使ったというコースも食べてみたいかな。

サービスはフロアが二人です。電話には女性の方(マダム?)が一人でずっと対
応されてました。
その日は空席もあったたおかげか、目配りも素早いし、空調の調整など、細かい
ところにもしっかりと気を使ってくれて、快適に過ごせました。適度に話しかけ
てもらい、おかげで肩の力を抜いて過ごすことができました。店の雰囲気からす
ると、ちょっとカジュアルなのかもしれませんが、そこらはある程度、相手に合
わせる技量もありそうです。

コストだけを考えると京都の店の方が安いわけですが、得られた満足感はこちら
の店の方が高いような気が。もっとも、京都の店に行ったのはだいぶ前で、さす
がに料理などについては記憶も定かではないのですが。いや、やっぱり、個人的
にはこちらの方が、確かに満足感は高いです。
実はガスパールという店には、ある一件があって以来、良い印象を持ってなかっ
たのです。けど、まあ、もう一回くらいはと思って足を運んだら、思いもかけず
に満足することができました。これなら、また、行ってみようかなと思える一軒
です。
23:07 | 飲食(フレンチ) | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑
E: ラトラス(神楽坂) | top | E: リストランテ・マッサ(恵比寿)

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