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R: アラン・ワイズマン『人類が消えた世界』

突然、この世界から人間がいなくなったらどうなるか。
この非常に刺激的、かつ、魅力的な仮定を出発点に、人類が消滅した後の地球が
どうなるかを追っていった一冊、それがアラン・ワイズマン著『人類が消えた世
界』。
パニック映画的なものを想像していると肩透かしを喰う(もっとも、パニックを
起こすであろう人間がいないんだけど)。科学的な知見と丹念な聞き取り調査、
そしてそれを補うイマジネーションで、人類と環境との関わりを描き出してくれ
る一冊となってます。

例によってAmazonから。
 「いま人類が忽然と姿を消したら、世界各地ではいったい何が起こるのか。住
  人を失ったあなたの家は、その時点から腐りはじめ、100年後には煙突のレ
  ンガなどを除く屋根や壁のほとんどは崩れ落ちるだろう。高層ビルを擁する
  大都市もまた、地下への浸水から崩壊し長くはもたない。人類なきあとには
  どんな動物たちが地上を闊歩するのか。
   ・・・
  最新の科学的知見にもとづき、あらゆる側面から人間の営みを見つめなおし
  て語る壮大な未来予測。」

家屋や街から始まって、過去にこの本が仮定したように消滅してしまった生物た
ち、そしてプラスチックのような工業製品や放射能、さらには宇宙空間を飛び続
ける電波まで。この本で語られている対象はとても広い。
その切り口としてはいろいろと考えることができるだろうけど、その中から作者
が選ぶのは主として“生態系”。人と他の生物との関わりにおいて、人がいなく
なった世界がどうなるかを描くとともに、今、人がどのような位置を占めている
か、また、世界にどのような影響を与えているかも示してる。というか、そちら
を描くのがこの本のメインなんだけど。

生態系としてみてみると人間がいなくなればいなくなったで、また、新たな体系
が作られる。それだけのこと。実際、この本で書かれているように忽然と姿を消
したわけではないにしても、過去に滅んでしまった生物は多くある。
ただ、人が残す影響はこれまでに滅んだ生物たちとは比べ物にならないだろうな、
というのはたやすく想像できる。また、どの程度の影響があるのか、正確にはわ
かっていない部分も多いっぽい。その影響は人間自らの首を絞めるものでもあっ
たりするので、それを悪として切り捨ててしまうことは容易いんだろうけど、本
当にそれで良いのか?そこを考えないとこの本の意義はなくなってくるんじゃな
いか。そんなことを思う。
皮肉なのは、地上で人の影響が最も少ない場所、すなわち人が消滅した後の世界
をシミュレートできている場所の一つが朝鮮半島の38度線の付近だという事実。
争いが自然から人の影響を遠ざけているのだからアンビバレントなアイロニーだ
なぁ、と思う。一方で枯葉剤のようなものも残しているんだけど・・・。

正直に言うと、上で書いたような「肩透かし感」も最初はあったし、科学的な知
見の部分には「?」な箇所もあるようですが、この本で伝えようとしていること、
受け取らなくてはいけないことは、かなり大きなもののよう。
そんなことを思っていて、レイチェル・カーソンの「沈黙の春」を思い出したり
もしました。沈黙の春がすごかったなと思うのは、人間と他の自然界の生物が共
に生存できるサイクルを生み出そうという共生のコンセプトをあの時代に出した
こと。もちろん、今の知見からすると誤りや、農薬の類の否定の度が過ぎる部分
などもありますが、それでもやっぱり、たいしたものだとは思うのです。
さすがに「人類…」に、そこまでの先見性などを感じることはできなかったけど、
相当に共通するものは感じられました。そういうことに関心を持つ人はぜひ、一
読を。損のない本だと思います。
23:31 | 書籍 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑
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